暴走したMLMメンバーの話
『MLMが問題視される主な理由』の記事では、MLMが抱える大きな問題の一つとして、素人が安易にビジネスに参加してしまう可能性がある、ということを書きましたが、今回は分かりやすい例として管理人が実際に体験したエピソードをご紹介しましょう。
あるとき、管理人の友人の紹介で、ある人物が「一緒にビジネスをしたい」ということで仲間に入ってきました。以下、彼の名前を仮に「Y君」とさせていただきます。
このY君、とても素直な性格ではあるのですが、反面正直すぎるというか思い込みが強いと言うか、一旦何かを思いつくと周りの忠告も一切無視して突っ走る性格を持っていたのです。
そして、そのY君が参加して数週間後のある日、Y君は目を輝かせ、颯爽と私たちのミーティングの場に姿を現しました。
Y君「見てください。自作のチラシを作ったんですよ!」
と目を輝かせて手渡された紙には、家庭用のワープロで印刷されたと思われるちょっとしたイラストと、一緒にMLMをやりましょう!的な文章が掲載されています。
しかし、悲しいかな彼は文章を書くことがあまり得意ではなかったため、そのチラシは義務教育で習うような「てにをは」すらおかしな状態。主語の無い文も混じっていて、関係者が読まない限り何を言いたいのかサッパリわからないというクオリティでした。
しかもチラシには、私たちの連絡先までバッチリ掲載されています。これでは悪評を広めるためにチラシを撒くことになりかねません(笑)
さらに悪いことに、管理人が参加していたMLMはクチコミだけで紹介・販売を行うのが基本で、チラシ配りなどの宣伝活動が規約上「禁止事項」とされていたのです。
チラシ配布が公になれば、連絡先が掲載されているメンバーは確実に処分の対象になるでしょう。
「Y君、ありがとう。こういう前向きな活動はすばらしいと思うよ。ただ、私たちが契約しているの会社では宣伝活動が禁止されてるから、これはチラシとして配るんじゃなくて知り合いに手渡しという形で活用してくれないかな?」
仲間とY君を傷つけないようにやんわりと言ってみたのですが、Y君はすっかりヘソを曲げて、
「せっかく作ったんですよ!?チラシくらい配ったっていいじゃないですか!」
と怒り出す始末。
結局Y君が完全にイジケることでチラシ計画は立ち消えとなり、私たちは事無きを得たのですが、まさに「素人ビジネス」のリスクを実感した出来事でした。
By MLM・ネットワークビジネスの真実